元実習生・「我慢」強いられ深夜の逃亡 

 「まだ帰りたくない。悪いのは会社なんだ」。2007年7月、熊本県下益城郡。技能実習生だったファリド・ワッズディさん(38、北スマトラ州トゥビン・ティンギ市出身)は深夜の住宅地で静かに自転車を漕ぎ出した。約1時間かけて熊本駅に向かう。実習先からの逃走だ。会社でもめ、強制帰国を言い渡された日のことだった。
 監理団体アイムジャパンの研修を経て、06年に同郡の土木工事業の会社で研修を始めた。約10人のインドネシア人とともに、日本人社員の補助作業を行う「手元」として、機械を使った整地作業やコンクリートブロックの運搬など、肉体労働に従事した。

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