社会福祉士が、成年後見制度を悪用し、着服

 元社会福祉士の男が、成年後見制度を悪用し2人の預金口座から現金1280万円あまりを着服するという事件が起きました。(KBC 九州朝日放送

 この事件は非常に遺憾であり、成年後見制度の信頼性に大きな打撃を与えてしまったと感じます。社会福祉士は高齢者や認知症患者をはじめとする弱者の支援を担う重要な職業であり、その職業倫理に反する行為が起こること自体が問題です。

 元・社会福祉士である被告が悪用した成年後見制度は、認知症患者などの人々の財産を適切に管理するための重要な制度です。その制度を利用して高齢者から大金を着服する行為は、社会的信用や成年後見制度の信頼性を損なうだけでなく、他の社会福祉士や後見人にも悪影響を及ぼします。

 この事件を教訓に、成年後見制度を利用する際の審査や管理を強化することで、同様の事件が起こらないような取り組みが求められます。社会福祉士や成年後見人の職業倫理の向上も重要であり、彼らが信頼に値する存在であることが求められるでしょう。

このような事件が起きないように、家族が気をつけるべきことは?

このような事件が起きないように、家族が気をつけるべきポイントは以下の通りです。

1.成年後見人の選定: 家族が成年後見人を選ぶ際、信頼できる人物かどうか慎重に判断しましょう。また、可能であれば親族や友人など、身近な人を後見人に選ぶことも検討してください。

2.定期的なコミュニケーション: 成年後見人と定期的にコミュニケーションをとり、財産管理についての進捗や問題がないか確認しましょう。

3.関係者との連携: 認知症患者のケアに関与している医師やケアマネージャー、介護スタッフなどと連携し、適切なサポートが提供されているか確認してください。

4.財産管理の透明性: 成年後見人による財産管理が透明であることを確認しましょう。銀行口座や投資履歴などの情報を定期的にチェックして、不正がないか確認してください。

5.成年後見契約の内容確認: 成年後見契約の内容をよく理解し、契約が適切に実施されているか確認してください。不明点や疑問があれば、専門家に相談することも検討しましょう。

6.法的知識の習得: 成年後見制度や関連法規について基本的な知識を習得し、権利を守るための対策を講じましょう。

7.相談窓口の活用: 不安や問題がある場合は、地域の社会福祉協議会や成年後見支援センターなどの相談窓口を活用しましょう。専門家のアドバイスを得ることができます。

 注意深く対応することで、被害を未然に防ぐことが可能です。また、周囲の人々と協力して情報共有を行い、不審な点があれば速やかに対処することが重要です。

成年後見人を家族が選ぶことは可能ですか?

 成年後見人を家族が選ぶことは可能です。実際、家族や親族が成年後見人を務めるケースも多くあります。ただし、成年後見人に選ぶ家族や親族が、後見業務を適切に行えるかどうかを慎重に検討する必要があります。

 家族や親族が成年後見人に適切であると判断される場合、家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立てることができます。その際、認知症患者本人や家族からの要望や意見が、家庭裁判所による後見人選任の判断に考慮されることが一般的です。

 ただし、家族や親族が成年後見人を務めることが適切でないと判断される場合や、適切な家族や親族がいない場合は、弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門家が成年後見人を務めることもあります。

 家族が成年後見人を選ぶ際は、後見業務を適切に遂行できる能力や信頼性、状況に応じた判断力を持っているかどうかを確認することが重要です。また、成年後見人が選任された後も、家族はその後見業務を適切に行っているか定期的に確認し、問題があれば家庭裁判所に報告することが求められます。

成年後見人について、誰に相談すれば?

  1. 地域の社会福祉協議会: 社会福祉協議会は、成年後見制度に関する相談やサポートを提供しています。地域の社会福祉協議会を探し、相談に行くことができます。
  2. 成年後見支援センター: 成年後見支援センターは、成年後見制度に関する相談や情報提供を行っています。また、後見人選びの支援や手続きに関するアドバイスも提供しています。
  3. 弁護士・司法書士: 法律の専門家である弁護士や司法書士に相談することで、成年後見制度に関する法律的なアドバイスや手続きのサポートを受けることができます。
  4. 社会福祉士: 社会福祉士は、成年後見制度に関する知識や経験を持っていることが多いです。後見人選びや手続きに関するアドバイスを受けることができます。
  5. 介護支援専門員(ケアマネージャー): 認知症患者や高齢者のケアに関わるケアマネージャーに相談することで、成年後見人が必要かどうかや適切な後見人選びのアドバイスを受けることができます。

これらの相談窓口や専門家を利用して、成年後見人に関する情報収集や手続きのサポートを受けることができます。相談する際は、具体的な状況や悩みを伝え、適切なアドバイスを求めましょう。複数の相談窓口を利用して情報を比較検討することも、適切な成年後見人を選ぶために役立ちます。