さんぜんと輝く新スタジアム前は、カメラを持った観光客でにぎやかだ。国立競技場(東京都新宿区)を訪れたグェン・チョン・タンさん(24)は「私も屋根を支える柱を塗りました。自慢です」と目尻を下げた。
最長五年間働ける「技能実習生」として来日したベトナム人。競技場の現場で二年半、塗装をした。月給は手取り二十万円。公務員平均が三万円の母国では大金だ。仕送りで実家を建て替える。「もっと仕事を覚え、日本で働きたい」とはにかむ。
ただ実習先の「佐藤建装」(埼玉県川口市)の佐藤和弥社長(65)はつぶやく。「タンは運が良かった。五輪事業を請け負う会社はしっかりしているが、他は必ずしも…」
別の会社に雇用された実習生や元実習生らは、取材に声を上げた。
「私は奴隷だった。休みは月一日。朝八時から深夜まで働かせられて、月の手取りは二万~八万円。来日前は十三万円と聞いたのに。仲介業者に支払った百四十万円の借金を返せず、死にたかった」(ソン・フィ・ロンさん、二十四歳)
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