外国人受け入れ 実習制度と併存矛盾映す

 技能実習生の制度を残したまま、急ごしらえで新たな在留資格を設けた政策のちぐはぐさの表れだろう。外国人労働者の受け入れ拡大に向け、昨年4月に導入した「特定技能」である。

 介護、外食、建設など、対象の14業種で政府は初年度に最大4万7千人余の受け入れを見込んだが、遠く及ばないのが実態だ。今月半ばの時点でおよそ2600人と、5%余にとどまる。

 県内でも様子見の企業が多いようだ。昨年11〜12月の主要企業へのアンケートでは、受け入れを「考えていない」が7割を超えた。実習生で間に合うという声も経営者から聞こえてくる。

 深刻な人手不足を補う目的で、一昨年12月に入管難民法を改定した。正面から受け入れてこなかった「単純労働」に実質的に間口を開く大きな政策転換である。

 にもかかわらず、国会で議論を煮詰める間もないまま、与党が数で押し切った。翌春の統一地方選、夏の参院選を前に、産業界の要望に応えて政権が導入を急いだ「選挙対策」の面が色濃い。

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